館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

1971 マスタングマッハ1 クォーターポスト内錆穴修理2

こんにちは。

 

まずは最初のパッチを溶接する。グレーの部分はスポットジンクを塗装したもの。

f:id:mikawakougei:20180531033522j:plain

 

室内側から溶接するパッチは最初はアウターホイールハウスだ。点溶接を繰り返して全体を溶接する。

f:id:mikawakougei:20180531033856j:plain

 

反対側の外側から見たところ。溶接不足があった場合は肉盛りをしないTIG溶接で行う。

f:id:mikawakougei:20180531034115j:plain

 

サンダーで仕上げる。このあと溶接部を含む全体をスポットジンクで塗装した。

f:id:mikawakougei:20180531034419j:plain

 

続いて上のパッチ、インナーホイールハウスのパッチを作る。

f:id:mikawakougei:20180531034806j:plain

 

点溶接。下のパッチのジンク塗装を溶接熱で侵さないよう銅板を挟んで溶接した。

f:id:mikawakougei:20180531034900j:plain

 

ホイールハウスの内側から溶接部の反対面が見えるので溶け込み不足を見つけてTIGで補修する。

f:id:mikawakougei:20180531035229j:plain

 

溶接肉盛りをサンダーで仕上げる。

f:id:mikawakougei:20180531035514j:plain

 

このままではパッチ同士がくっついていないのでスポット溶接を行う。溶接はインナーホイールハウス、アウターホイールハウス、隔壁の3枚同時に行う。

f:id:mikawakougei:20180531035726j:plain

 

黒い長四角はスポット溶接のチップがホイルハウスに接触してホイルハウスを融かさないための絶縁ゴムである。

f:id:mikawakougei:20180531040149j:plain

 

内外二列で溶接した。

f:id:mikawakougei:20180531040233j:plain

 

反対面。

f:id:mikawakougei:20180531040351j:plain

 

サンダーで仕上げる。

f:id:mikawakougei:20180531040551j:plain

 

錆穴修理完了。あとは継ぎ目という継ぎ目には全てシーラーを塗る。

f:id:mikawakougei:20180531040758j:plain

 

錆は溶接面から発生するのだ。

シティー瓦の塗装

こんにちは。

 

きょうセキスイシティー瓦の南斜面が塗装を終えた。実に半年がかりである。

f:id:mikawakougei:20180530041942j:plain

 

シティー瓦の評判は他のサイトでも見かけるが、内部からスカスカのボロボロになっていく非常に粗悪な瓦だ。

補修する手立てはなく、交換しか解決策は無いという。さりとてセキスイカスタマから提示された800万円超えの交換費用など、おいそれと払える額ではない。

そこで僕は根本的な解決にはならないと知りながらシティー瓦の塗装をすることにしたのだ。交換までの時間稼ぎである。

 

やり方はこうだ。

① まず高圧洗浄でシティー瓦を洗う。初めはデッキブラシでこすっていたが、とてもじゃないが、らちが明かないので高圧洗浄に切り替えた。これとてノズルが近いと瓦が崩れるのでちょっと遠くから当てる。

 

② 洗浄から丸一日以上乾燥させてシーラー(下塗り剤)を塗る。僕が選んだのはニッペファイン浸透シーラー。ボロボロのシティー瓦に浸透して補強にならないかと考えたからだ。(実際は大した補強にはならない)

シーラーは1日以上空けて2度塗りする。

 

③ ハケ塗りシーラーを塗る。

シティー瓦には無数のひびや割れができていて、そのままだとやがて瓦が分割してしまう。そこで僕は大きなヒビや割れにはグラスファイバーのシートで補強しながらハケ塗りシーラーパテで表面を塗り固めた。

 

④ 上塗り塗装。

僕が上塗りに選んだ塗料はフッ素系のニッペファイン4Fベストというカラーベスト用仕上げ剤で15㌔セット一斗缶入りが4万円超えの最高級塗料だ。

塗料代よりも手間の方が大事だと考えたのでなるべく長く持つ塗料にしたかったのだ。

これも一日以上空けて二度塗りする。

 

これだけ手間を掛けるのだから出来るだけ長持ちして欲しい。

その間に瓦交換費用を捻出するのだ。

 

僕が選んだ色はディープグレー。

f:id:mikawakougei:20180530042244j:plain

 

上品な艶があり、落ち着いた綺麗な屋根になった。

 

次は北側斜面に移る。

1971 マスタングマッハ1 クォーターポスト内錆穴修理1

こんにちは。

 

クォーターパネルの修正が終わっても、取付け前にしなければならないことがまだまだある。

クォーターポスト内(クォーターガラスの収まる部屋)に錆による穴があって、以前から直さねばならないと思っていた。クォーターパネル取付け前に補修する。

ここはインナーホイールハウス、アウターホイールハウス、そして隔壁の3枚が重なった部分。 写真左側がインナーホイールハウスだ。

f:id:mikawakougei:20180529041908j:plain

 

いちばん外側のインナーホイールハウスの穴部分を大きめに切り取る。

f:id:mikawakougei:20180529042236j:plain

 

ワイヤーサンダーで錆取りをする。

f:id:mikawakougei:20180529042645j:plain

 

その下にあるアウターホイールハウスをちょっと小さめに切る。

f:id:mikawakougei:20180529042853j:plain

 

ワイヤーサンダーで錆取り。

f:id:mikawakougei:20180529043018j:plain

 

外側から見るとこんな感じ。

f:id:mikawakougei:20180529043148j:plain

 

パッチを作って溶接部分をマスキングする。スポットジンクをスプレーするためだ。

f:id:mikawakougei:20180529043402j:plain

 

相手側にもマスキングする。

f:id:mikawakougei:20180529043511j:plain

 

こちらにもスポットジンクを塗るのだ。

スリム管のLED化

こんにちは。

 

 

実を言うとてっぽう展示館の蛍光灯が1本ちょっと前から切れたままだ。

f:id:mikawakougei:20180528042856j:plain

 

てっぽう展示館のショーケースの照明にはスリム管を使用しているが、長さの違う管が8種類ほどもあって在庫をそろえるだけでも大変だ。

それに寿命が短く、1年もたないので毎月なにがしかのスリム管を交換している。さらにスリム管は注文しても納品に2週間ほどもかかる。

 

以前からLED化できないかと考えていたので在庫はもうあとわずかだ。

今回交換するのは「超高演色白色テープLED」。通常販売されている白色テープLEDに比べると2倍ほどの価格だが展示物の色を忠実に再現する、美術館向けのLEDらしい。

左が今回交換した超高演色LED。右がスリム管のN色、つまり昼白色だ。

LEDはN色よりも少し温かみのある白色、恐らく蛍光灯のW色、つまり白色と同じくらいだろう。

f:id:mikawakougei:20180528043042j:plain

 

照明された展示台を見てみると白色だ(左)。右のスリム管は少し青っぽい。

f:id:mikawakougei:20180528043634j:plain

 

前回交換した通常の白色テープLED(左)。右のスリム管に比べかなり青っぽい「昼光色」だ。

f:id:mikawakougei:20180528043851j:plain

 

だから展示物も青っぽく見える。

f:id:mikawakougei:20180528044048j:plain

 

今後はこの「超高演色」でいく。

アクアの改造

こんにちは。

 

うちの美術館では照明のLED化を少しずつではあるが進めている。

作品の一つに「アクア」がある。これは合わせ鏡と透明パイプを使って地下から湧き出てくる泉を表現したものだ。

f:id:mikawakougei:20180527033129j:plain

 

合わせ鏡を使って井戸がどこまでも続いて見える。この井戸の壁を照明しているのは豆電球だ。

これを作った2000年当時は、白いLEDはまだ出たてで、砲弾型の白LEDが1個250円ほどもしていた。あまりに高価でとても作品全部の照明には使えなかったのだ。

f:id:mikawakougei:20180527033438j:plain

 

ところが蛍光灯ほどではないにしろ、豆電球はよく切れる。色も文字通り電球色なのでもっと青味がかった白のLEDに交換することにした。その方が水のイメージに合う。

 

LEDはこの18年ですさまじい進歩を遂げている。どんどん小さく、どんどん明るく、どんどん安価になっている。

テープLEDを使えば簡単なのだけれど、テープLEDでは明るすぎた。

チップLEDを使うことにする。

f:id:mikawakougei:20180527034912j:plain

 

これを40~50個つなげて豆電球と置き換える。

f:id:mikawakougei:20180527034944j:plain

 

来週には交換したいところだ。

ジオラマのミュージアム

こんにちは。

 

現在製作中のステンドグラスで作るジオラマにはいろんな建物がある。きょうはその一つ、ミュージアムをご紹介する。

外殻はステンドグラスで作るが内部は紙やプラスチックで作る。

ジオラマの中に置いて展示すれば内部はほとんど見えないのだが、しっかりと作り込む。

まずは一階教室だ。

f:id:mikawakougei:20180526023623j:plain

 

教室では生徒さんがガラスを購入しに来ている。左の受付でお客様を待っているのはカミさんだ。

f:id:mikawakougei:20180526024005j:plain

 

二階は展示室、巨大万華鏡やガラス作品が展示してある。三階にはスマイル万華鏡や生活に身近なガラスアートが並ぶ。

f:id:mikawakougei:20180526024416j:plain

 

三階の左側の部屋はガンミュージアムだ。

f:id:mikawakougei:20180526024814j:plain

 

そう、何を隠そうこのミュージアム三河工芸ガラス美術館だ。

内部のレイアウトは現在ではこの写真と多少違うが製作当時はかなり忠実に再現した。

 

内部が作り込んであると楽しさが倍増するのだ。

1/4パネル取付け準備 リップの錆取り

こんにちは。

 

マッハ1のクォーターパネルはクォーターのフレームを巻き込むようにして溶接してある。この構造がクォーターパネルの取付けを複雑で難しいものにしている。

ここがクォーターパネルに巻き込まれる部分でクォーターウインドウのすぐ下になる。

 

一見塗装されているようだが、クォーターフレーム内をパワー防錆で塗装した塗料が飛んだものである。従って塗装の下にはまだ錆が残ったままだ。

f:id:mikawakougei:20180525034235j:plain

 

簡易ブラストボックスを作る。加工の容易なプラダンを使う。下にあるダクトに掃除機をつないでダストを吸い取る。

f:id:mikawakougei:20180525034728j:plain

 

反対側から見たところ。上のビニールに穴を明け、そこからブラストノズルを突っ込んでリップ部分をブラストするのだ。

f:id:mikawakougei:20180525035037j:plain

 

綺麗に錆が取れた。

f:id:mikawakougei:20180525035322j:plain

 

が、よくよく見ると錆の根が残っている。ブラストもあまり長く当てると鉄板が薄くなる。ここは「必殺錆封じ」で錆の根っこを押さえこむ。

f:id:mikawakougei:20180525035550j:plain

 

透明塩ビシートでスポット溶接の位置を割り出す。同じ部分を溶接するためだ。

f:id:mikawakougei:20180525040009j:plain

 

溶接部分をマスキングして、他は「必殺錆封じ」で錆を固め、その上にパワー防錆プラサフを塗るのだ。