こんにちは。
毎日毎日、ジオラマ製作に精を出しているのだけれど、なかなか進展しない。似たような記事になってしまうのでついついレストアの記事になってしまう。
溶接部が錆びやすくなるというのは本当のようだ。熱で鉄の表面の塗料被膜が燃えてしまい、鉄の素材面があらわになってしまうのと、溶接熱で鉄の組織が変わってしまうのかもしれない。
そんなわけで溶接部の錆止めは本当に悩ましい。
溶接部が表に出ていれば塗装すればよいのだけれど、裏側や鉄板同士の合わせ面にはあとから塗装できない。
今までレストアをしてきて、いつも思うのは、合わせ面こそ錆の発生源なのだ。
溶接用防錆剤にはタイホーコーザイの「スポットジンク」や染めQの「スポットシーラー」といった商品があるが、どちらもスポット溶接用で、プラグ溶接にはイマイチ向いていない。熱に弱く、パチパチとはじけて溶接品質が悪くなる。
海外には溶接プライマーとして銅や亜鉛が主成分の物が販売されているが、これらはスプレー缶なので輸入できない。保安上空輸できないのだ。
そこで僕が思いついたのが耐熱塗料だ。耐熱塗料は耐熱温度650℃ほどある。
これなら溶接熱に耐えてくれるかもしれない。
そこで僕は実験してみた。
溶接部は溶接の都合上、2ミリほどマスキングして耐熱塗装をしていないのだが、溶接部の際は見事に塗膜を保っている。 通常の塗料だと溶接の周囲3~5mmは焼けて剥がれたり、泡を吹いてしまうものだ。
TIG溶接の長時間の入熱にも塗膜を保っている。
裏側だ。若干、溶接部周辺に変質があるものの剥がれには至っていない。
僕は「これだ!」と思った。実際、左クォーターフレームの溶接に使ってみたのだけれど、問題が無いわけではなかった。
一つは耐熱塗料の主成分がシリコンであること。そのため上塗り塗装が密着しない。ペラペラと剥がれる。
二つ目は加熱処理が必要なこと。 本来の塗膜を得るためには180℃30分以上の加熱処理が必要らしい。加熱しない部分は乾いたように見えても半乾き状態のままで、本来の塗膜強度は無いとのことだった。
う~ん、これはいけると思ったのだけれど‥、悩ましいなぁ。
決め手に欠ける溶接防錆だ。