館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

サイドモールディング修復2

こんにちは。

 

サイドモールディングはアルミ製で表面はアルマイト処理が施されている。

表面の細かい傷やくすみは削り取るしかないが、アルマイトは非常に硬く、金属磨きで磨いたところでとても取れるようなものではない。

サンドペーパーで磨けばなんとか取れるが、膨大な労力がかかる上に仕上がりはイマイチ。だったら金属感は多少薄れるが、シルバーの塗装をしたほうがいいかもしれない。

僕はクリア塗装を行った。表面のくすみはクリアを塗ることでかなり改善された。

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さて、さびさびのガラス押えだが、サンドブラストで錆を削り取り、そのあとブラックパティーナで黒染め、さらに「必殺錆封じ」で錆止めをした後、プライマーを塗ってゴムコーティングした。

オリジナルはビニールコーティングのようだが、実は地元のビニールコーティング塗装工場に問い合わせてみたが、非常に難しいと言われた。また、保持ジグを作らなくてはならないため、とても高額になると言われ、断念した。代わりにゴムコーテイングしてはどうかと勧められたのだった。

 

ゴムコーティングは1回では皮膜が薄いので、3回行った。

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台座部分は肉厚があると困るので1回コート。それ以外は3回コートした。

コーティングは肉感があってオリジナル以上だ。

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これをオリジナルどおり、モールディングにハトメで取り付ける。ハトメは穴径3.5mm

用を取り寄せ。

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モールディングは凹凸があって平面ではないため、アルミを変形させないように金型を削った。

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モールディングにガラス押えをはめ込み、ハトメで止める。カシメは専用のポンチで打つ。

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クォーターガラス側押さえ取付け完了。

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ドアガラス側押さえ取付け完了。

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裏側。

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新品同様とまではいかなかったが、かなりきれいに修復完了。

レプロだってまともに付くとは限らないからこれでヨシ。