館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

インプラントって一生ものじゃなかったの? 1

こんにちは。

 

インプラントの寿命? 大体15年くらいだよ。」

歯科医師は何事もないようにそう言い放った。

 

僕がインプラント手術を受けたのは25年ほど前、36~37歳の頃だったと思う。そのインプラントをついに取り外さなければならない時が来た。

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若いころから甘いもの好きで30歳前までに奥歯は虫歯だらけだった。最初にかかった歯科医が軍医上がりの先生で、あとで知ったことだが、進行した虫歯はすぐに抜いてしまうことで有名だった。僕はその先生に5~6本の奥歯を抜かれた。

右も左も奥歯を失った僕は一時は右と左をつなぐ金具付きの入れ歯をする羽目に。まるで老人みたいだ。

 

そんなことは恥ずかしくて誰にも言えなかったので、カミさんにも伝えずに結婚した。

それから何年か経った頃、インプラントという最新の歯科治療法が世に知られるようになる。人工歯根と言われた。

 

失われた自分の歯の代わりに人口の歯根を外科手術で顎に埋め込み、義歯をかぶせるというもの。入れ歯と違い取り外す必要が無く、自分の歯と同じように強く噛める、という夢のような治療法だった。

 

ぜひともインプラントをしてもらいたかった僕は、地元では施術する医院が無かったので、紹介してもらった名古屋の歯科医院で手術を受けることにした。

 

手術時間は約30分。局所麻酔をしているので痛みはさほど感じなかったが、大きく口を開けたまま、口の中から漂う血の匂いを嗅ぎながら、ガリガリ顎の骨を削る音を聞き続ける30分はとてつもなく長く、辛いものだった。

綺麗になった歯を想像しながら「これが俺の試練なんだ。」と繰り返し自分に言い聞かせながらやっと耐えた。

 

手術は無事終了。麻酔から醒めるのを待って痛み止めと殺菌剤をもらい、帰宅の途に就いた。

 

ここまでインプラントに寿命があることは知らされなかった。