こんにちは。
ここのところ、在所の父の物忘れがひどい。御年89歳だが、ボケるにはまだ早い。
先月在所へ行った時など、僕やカミさんの名前が出てこない。この半年で急に症状が進んだみたいだ。
先日も僕たちが行くと、ばつの悪そうな笑顔を浮かべながら
「え~っと、誰だったかいな。」
もちろん顔は分かっているのだが、名前が出てこないのだ。
おじいさん(父)の認知症は昔のことはよく覚えているのだが、今朝のことが分からないのだ。
この症状が一番悪かったのが、ひと月ほど前だった。話のつじつまが合わないし、ご飯を食べたかも忘れてしまう。
それに、最近はよく「疲れた」を口にする。何か仕事をするというわけでもないのに、肩で息をする。
ちょっと様子が変だなと思った姉さん(カミさんの姉。姉は婿養子さんをもらった)はおじいさんを厚生病院に連れて行った。
診察の結果は心臓肥大症。年を取るとたいてい心臓肥大になるそうだが、おじいさんの場合はいつ心不全になってもおかしくないくらいに進んでいたという。
おじいさんの心臓は弁が閉まりきらずに血液が逆流するそうで、そのため不足する血流を補おうと常に心臓が無理をしているのだ。だから心臓が肥大し、酸素を多く取り込もうと肩で息をする。
さらに脳に十分な血液が行かないので認知症が進むのだとか。
幸いなことに薬を処方されひと月ほどになるが、症状は改善している。
今まで週2回だったデイサービスセンター通いも週3回にしてもらい、他人と会話することで言う事がかなりしっかりしてきた。
今朝は松の剪定をした、などと、その日に自分のしたことを話してくれるようになった。これは驚きだ。
会話をするというのは大事なことだ。会話の相手がいないと認知症は進む。
(これはおじいさんのピース)
おじいさんは昔から健康には人一倍気を使ってきた。弟たちはみんな死んでしまったからね。だからおじいさんの部屋には健康器具がいっぱいある。健康オタクなのだ。
週に一度は顔を見に行くようにしているが、何かと忙しい時期にはついつい先延ばしにしてしまう。
僕にはもう両親はいないが、在所に帰っていつもと変わらぬ親が出迎えてくれるありがたみをカミさんも噛みしめていることだろう。
いずれは逝ってしまうおじいさんだが、その時はまだまだ先のことであって欲しいと願うばかりだ。