館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

ボルト一本に至るまで

こんにちは。

 

レストアをしていて意外に困るのがボルトの管理だ。数えきれないくらい種類があって、しかもレストアは作業のスパンが長いので長期間外したままにすることが多い。

僕はズボラな性格なので最初は覚えているが、本数が増え、時間が経つにつれどこにしまったのか分からなくなることがままある。

たいていのボルト類は新品が販売されているが、中には機能は同じでもオリジナルと違うものもある。

できればオリジナルを使いたいところ。

 

ボルト類は僕は次のスタンスで修復している。

1. 少しの錆、あるいは全く錆の無いきれいなボルトは錆を取り、塗装を剥がし、黒染めをして錆止めを塗る。

2. 錆の酷いもの、ネジ山の潰れたもの、頭をナメてしまっているものは新品にする。

 

デッキリッドのヒンジボルト。

溶接なのになぜかボルトを使っているおかしな作り。

今回は1.のレベルだ。サンドブラストで表面の錆、塗装を剥がして黒染めをする。

黒染めとはもともと錆防止のために鉄表面に作る酸化被膜のことだ。ステンド用のパティーナで黒染めができる。

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もちろんボルトの頭、座金まで全部黒にする。パティーナのつんとしたすごい臭いがする。

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黒染めだけではさほど錆には強くないので、あとで必殺錆封じを塗る。

 

ボルトなんて止まればいいじゃん。そう思う人はもちろんそれでいいと思う。

だけど僕が目指すのは新車以上にきれいな車だ。