館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

カラスの巣 その後

こんにちは。

 

先日このブログでご紹介したが、我が家の西隣にある電柱にカラスが巣を作っていた。

中電さんに撤去の依頼をしたがいまだに実行されていない。 中電に問い合わせたところ、現場を見たが停電の恐れはないので時期を見て撤去するとのことだった。

 

もうとっくに巣は完成されていて、どうやらすでに卵を温めているか、雛が孵っているかもしれない。

なぜならカラスが一段と周りを警戒してうちの屋根に止まってカアカア鳴いたり、隣家のアンテナで見張っていたりするからだ。

 

夜になって巣の一段上の電線にカラスと思われる影を見つけた。電線に留まって警戒しているようだ。写真は吾輩のデジカメで望遠、F2.8 シャッタースピード1.6秒で撮ったものだ。

ファインダーを覗いても何も映らない。暗くて自動焦点が合わないので同じくらいの距離の街灯でピントを合わせてからおおよその方角に向けて撮影したのだ。

中央上の方の影がカラスだ。

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曇りということで空は少しだけ明るい。だから目が慣れてくるとシルエットが分かる。もし、晴れた夜空なら闇に溶け込んで見えなかったに違いない。

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恐らく、一羽が卵か雛を温めていて、もう一羽が上で外敵を見張っていると思われる。

夜中の3時を過ぎたころもまだいた。夜露に濡れながら、多分、空が白むまでああしているのだろう。

 

街明かりが消えて一段と暗くなった空。シャッタースピード3秒という長時間露光でやっと撮れたシルエットだ。今は寝ているのかな。

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人には嫌われるカラスだが、必死に雛を守るカラスを見ていてなんだかいじらしくなってきた。

 

世の中、親が子供を絞殺したり、子が親を刺し殺すなど殺伐とした事件が多い昨今、本来あるべき親の姿を野生のカラスに教えられる思いだ。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル9 取り外し準備2

こんにちは。

 

3日連続のレストア記事です。

寸法の記録は補修後にオリジナルと同じ形を保つためだ。レプロを買ってきて取り付ければ修復が完了するなどと言うような単純なものではないからだ。

そもそもほとんどがそのままでは取り付かない。曲げたり、伸ばしたり広げたりしながらなんとかはまるようになる。

その前になぜはまらないのか原因を探さなくてはならない。

当て方が悪いだけのこともあるし、製品寸法が間違っていることもある。(これが一番多い)

そんな時頼りになるのがオリジナルの寸法なのだ。そして取り外して不要になったパーツもレストアが完了するまでは絶対に捨てない。もしもの時の寸法確認に必要だ。

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クォーターのシェル(内側の骨)とスキン(外側のパネル)の溶接面。現代のようにロボットが行うのではなく、当時は人が重いスポットガンを持って溶接したので溶接面はへごへごだ(波波だ)。

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錆で溶接面が膨らんでいるところもある。シーラーが練り込んであるが、何をしたって錆の進行は止められない。

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クォーターウインドウの辺りの合わせ面。断面寸法を型紙に取る。

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クォーターパネルのサイドラインの型板を当てる。レプロのラインが違っていたら直せないが、取付けの目安にはなる。

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ハンダを取り去った部分の隙間。ハンダの量が分かる。

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リヤウインドウあたりのライン。丸穴はラジオアンテナ用だ。

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左上がルーフ。右下がクォーターパネルだ。リヤガラスの左上の部分になる。

クォーターパネルがルーフの下に入り込んでいる。スポット溶接の周りがへこんでいて、スポットガンが相当大きな力で挟んでいるのが推測できる。ハンダの下に錆は無い。

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ルーフとクォーターパネルの溶接部先端。レプロを見て分かるのだが、クォーターの左先端にはカギ状の出っ張りがあって、それがルーフに引っ掛かるように入り込んでいる。

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これはもう、クォーターパネルを切り取らなければ外せない。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル8 取り外し準備1

こんにちは。

 

クォーターパネルを取り外す前にやっておくべきことがある。

オリジナルの形状、寸法をできるだけ詳細に記録しておくことだ。

テールの左右位置関係。

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ルーフからテールに至るライン。細い角材でコピーする。

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型だってぴったりとは作れないため、どこにどれだけ隙間があるかを写真に記録しておく。

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取り外すスポット位置を白マーカーで印する。

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クォーターの最後尾。

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塗装を剥がすと連結が見える。

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トランクウエザーストリップの溝にはでかい錆穴が。

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左右のクォーターをつなぐビームの接続部。この辺りの構造は何重にもパーツが重なっていて複雑だ。ここは6枚ものパーツが組み合わさっていてクォーターパネルはその真ん中あたりに差し込まれて溶接されている。上から順番に外そうものなら左右の連結を失ってしまう。よくよく考えないと。 ここは悩ましい所だ。

フルクォーターパネルの交換が最高難度と言える所以だ。

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取りあえず考えうるできるだけの写真を撮る。これが後で役に立つのだ。

1971 マスタングマッハ1 左クォーターパネル7 ハンダ除去

こんにちは。

 

こうしてレストアの記事を書いていると、読者の方からコメントを頂くことが時々ある。お返事もコメントの公開もしませんが、ちゃんと読ませていただいてます。この場を借りてお礼申し上げます。

僕の記事を見て、自分もレストアを始めたいと思うとか、すでにやっていて参考にしてます、などといったコメントです。

僕なりにアドバイスさせていただくなら、これから始めようと思っている方に‥、

おやめなさい。レストアには膨大な時間と労力、そしてお金がかかります。特にパネルワークには正解がなく、完了するまで車に乗ることすらできません。それより今の車に少しずつ手を入れて乗った方が得です。僕の場合、レストアを始めて4年になりますがまだ半分もやれていません。

すでにレストア中の方に‥、

どうぞ何があっても諦めないで完成させてください。諦めたら愛車はただの屑鉄になります。

 

 

さあ、ここからは未知の領域だ。

レストアを始めてルーフとクォーターパネルが別物で、溶接とハンダで繋がれていることを初めて知った。

ユーチューブではアメリカのレストアラーがアップした動画が幾つか見つかった。不安はあるがここまで来たらやるしかない。何度も動画を見ながら作業内容を頭に入れる。

 

ホームセンターでジェットバーナーを買ってきてハンダ部分の片側から炎を当てる。 程なくつや消しグレーだった表面が濡れたようになり、水銀のように金属光沢に変わり、垂れ始める。

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そこですかさず粗目のワイヤーブラシで融けた半田を掻き落とす。

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そのうち下地の鉄板が見えてくる。熱しすぎに注意する。鉄板が焼けて変形する。

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ハンダ除去後のルーフとクォーターパネルの継ぎ目。こうなっていたんだ。

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クォーターパネルはルーフの下に潜り込んでいる。組み立て順序はルーフが最後のようだ。

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ということは、スポット溶接を外しただけではクォーターパネルはすんなり外れてくれないということだ。

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それじゃ、ルーフを取り外す?

 

冗談でしょ。

ステンドグラスの置き時計

こんにちは。

 

木曜の生徒さんIYさんがパネルタイプの置時計を完成させた。お皿用のスタンドを使ってサイドボードの上に飾るらしい。

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IYさんといえば以前にも紹介したが、ステンドグラスのフラガールを作った人で、ご自身もフラのダンサーだ。

作品を一つ完成させるごとに力を付けていて、ステンドのキャリアは浅いのに腕前はかなりのものだ。

上の写真を見て欲しい。何ということのないシンプルなデザインと思うかもしれないが、よく見るとラインの幅が一定で揃っている。

当たり前のようだがこれができる生徒さんは少ない。

 

ムーブメントは電波時計。電池を入れると勝手に針がくるくる回り始め、そのうち時計の電波をとらえて正確な時間を示すようになるが、それまでの時間が長い。教室で作って正確な時を示した瞬間を見たことが無い。多分始動してから何時間も後のことだろう。

その点、クォーツ時計は時刻を合わせた瞬間から正しい時を示す。

 

世の中が進んでも便利になることばかりじゃないってことだ。

松の消毒

こんにちは。

 

先日の庭師さんの剪定の時に大将から松が病気だと告げられた。

僕も去年の夏の剪定の後から松の元気が無いなぁと思っていたのだ。肥料が足りないせいだと思って種かすと化成をどっさりやったのだが元気がないままだった。

 

「多分、池庭の松の病気がうつったんだわ。消毒をやった方がいいな。」と大将。

「それじゃ、殺菌剤をやる?」と僕。

「いや、合剤の方がいいと思うな。殺菌剤じゃ多分効かんわ。」

「大将、やってくれる?」

「ちょっとやっとれんのだわ。自分でやって。30倍でいいと思うよ。」

 

なんだよ、庭師さんがやってくれないのかよ。もっともたいてい庭師は消毒はやらない。

 

てなわけできょうやることになったのだ。

消毒がなぜイヤかと言うと、なかなか消毒に適した条件がそろわないからだ。

まず、風が無いこと。これが一番難しい条件だ。一年を通して無風の日なんて数えるほどしか無い。

しかも早朝か夕方のほんのわずかな時間だ。

二つ目は気温が高くないこと。日中は薬害が出やすいので避けた方がいい。

三つめは葉が濡れていないこと。消毒後半日以上降雨が無いこと。

などだ。

 

天気予報では明日は雨。きょうに賭けて、エンジンの手入れをする。案の定エンジンがかからない。10年以上使っていないので燃料タンクが錆びてガソリンの通路が詰まっていたのだ。

 

「今なら風が無いよ!」

夕方になってカミさんが知らせに来た。

「よしきた!」わずかなタイミングに賭けてすぐに着替える。カミさんもモンペに着替えている。

カミさんの実家は農家だったのでこういうことは平気だ。助かる。

エンジンポンプに消毒散布用ホースリール、ノズルやタンクなど、庭の手入れ用に義父が買ってくれたものだ。

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ホームセンターて買った石灰硫黄合剤の10リットル容器。一般家庭で10リッターなんて使う機会はまず無いだろう。

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これを30倍に薄めて散布する。2リッターで60リッターの薬液を作った。

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高い枝はなかなか届かないがやっとの思いで散布。上の方は風がある。

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散布は上からだけではダメだ。カイガラムシなど下から散布しないと効かない。

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合羽を着て活性炭マスクに防曇ゴーグル、完全武装で作業に当たる。防曇ゴーグルだけどどうしても曇ってしまって見えなくなる。

 

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作業時間は1時間半に及んだ。

時々エンストするエンジンポンプを始動するのに難儀した。

 

多分、明日は右腕と肩の筋肉痛だ。(笑)

カラスの巣

こんにちは。

 

きょうは穏やかな小春日和になった。

カミさんが電柱にカラスが巣を作っているのを見つけて中電に通報した。

我が家の土蔵の西にある電柱の上だ。二羽のカラスがせっせと小枝を運んでは巣の材料にしている。小枝のうちはいいが、針金やハンガーなどを持って来られると停電になりかねない。

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カメラを望遠にしてみると、いたいた。一羽のカラスが連れを待っている。

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二階に上がって見てみると、隣家の屋根に止まってこちらの様子を伺っている。僕が見ているのをちゃんと知っているのだ。

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おやおや、巣はかなり出来上がっている。

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こんなところに巣をつくられた日にゃ、うるさくてかなわんぞ。

 

中電さん、早く来てくんないかな。