館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

火の玉の話

こんにちは。

 

今では火の玉の話など、とんと聞かなくなった。

僕が小学校低学年のころまではお盆になれば親戚が集まり、男衆が酒を飲みながら世間話にふけった。

その中で幽霊や火の玉の話もたびたび話題に上った。

 

親戚の大人たちがタバコをくゆらせながら幽霊を見たという噂話を真顔でする。

僕も興味津々で盗み聞きしていたが、その内容は驚くべきものだった。

 

ちゃらんこ(地名らしい)の一本松の話

「俺が聞いた話なんだがよ、ちゃらんこに一本松のある墓地があってな、土建屋が移転のためにお祓いもせんと墓石を撤去したんだと。そうしたら一本松の下に白い女の幽霊が出るようになったんだとよ。」

「あぁ、俺もその話は聞いたことがあるぞ。お寺さん呼んでご祈祷したら出んようになったそうだな。」

「怖いわねぇ。お墓は粗末にしたらあかんねぇ。」

 

昔の墓地は今のように明かりがあって整備されたものではなく、古い墓石が立ち並び、草木が生い茂る不気味なところだったのだ。

 

 

火の玉の話

火の玉を見たという話は少なくない。これは母の在所に泊まった時の話。

「火の玉は本当にあるらしいぞ。〇〇さんちに火の玉が落ちたんだと。なんでも寝とったら突然屋根を突き破って蚊帳の外に落ちてきたんだとよ。見ると青い火で、寒天みたいにぶよぶよしとったそうだ。」

「私も見たことがあるよ。青い火の玉が東の方へ飛んでったんだわ。」

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子供の頃は家の周りは田んぼばっかりで夜ともなれば辺りは真っ暗。道路はアスファルト舗装などされておらず、街灯もなかった。

村の墓地は我が家から南西に400メートルほどの所にあり、遮るものが無いので昼間は見通せた。

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僕を含む近所の遊び仲間が何人かいて、盆ともなれば幽霊や火の玉の話になる。

隣りの悪ガキH君が話を持ち掛けてきた。

「みんな、お墓の蓋を昼間のうちに開けておいて火の玉が出るかどうか試してみようぜ。今夜あたり降りそうだし、出るかもよ。うちの2階から見るんだ。」

H君の家は近所では珍しい2階建てだった。

 

何かで読んだのか、子供たちは火の玉は人間の骨から出る燐が水分と反応して燃えて出来ると思っていたのだ。

現代の火葬はバーナーで完全焼却するので骨の燐など残らないだろうが、昔は土葬、あるいは藁や薪で火葬したので不完全な焼却だと燐が焼け残ることも多かったのかもしれない。

 

果たして計画は実行されたのか。

僕は寝てしまって知らない。