こんにちは。
前回はシートプラットホームの前側フランジを作った。今回は前側のシート取付けネジ部を修復する。向かって右側のボルト部分だ。
錆穴は明いていないものの錆によるクレーターが沢山あり、強度は低下していると見た。
シートプラットホームは4か所でシートスライドレールを固定するのだが、その内1か所はボルトが出ていて、残りの3か所はナットになっている。出ているボルトが取付け時の位置決めになるらしい。
さて、ボルト部分の修復に取り掛かろう。ボルトは前回押さえ金具ごと取り外した。
パッチを作るために型を取る。写真左寄り上にある透明の塩ビシートがそうだ。 塩ビシートの厚さは0.2mm。この厚さだとプラットホームの曲面に沿ってくれる。
穴形状とプレスラインを写し取り、新しく鉄板に写す。写真の鉄板は横方向に1回曲げてある。
楕円穴と丸穴の左側に縦にスリット(切り込み)を入れた。曲げ加工をするためだ。
9ミリの丸棒を厚鉄板に溶接し、パッチと一緒に万力に挟む。丸棒に沿わせながらハンマーで叩いて曲げる。こうすることでオリジナルのプレスラインと同じようにカーブで曲げることができる。
今度は裏返してもう一方の端を太めの丸棒を何種類か使い曲げていく。オリジナル通りテーパーに曲げる。根気のいる仕事だ。
9mm棒で曲げた端をさらに返すように曲げる。隣の平面となだらかにつながるようにである。
曲げるために入れたスリットを再びつなぎ合わせる。つなぎ溶接をしていく前にスリットの端っこを仮溶接しておく。いきなり下から溶接していくと、2~3発溶接したくらいで端っこは縮みのためにくっついてしまうからだ。
僕の実験だと間隔が1.5mmの溝を点溶接1回すると約0.15~0.2mm間隔が縮む。
下から真ん中ぐらいまで溶接でつなげる。
パッチをどういう形にするかはその人の考え方だが、僕は左側を下から半分くらいの所で横に切った。オリジナルにプレスによる補強リブ(パッチ鉄板の左端の上にあるくぼみ)があるため、そこを切断するのは避けたかったからだ。
パッチに合わせてオリジナルを切断する。初めは小さめに切断しておいて少しずつヤスリやサンダーで広げていく方が切りすぎなくてよい。
パッチが正確にはまるように出来るだけタイトに削る。せっかく綺麗に曲げたパッチのカーブであるが、正確に修復するためと溶接のしやすさを考慮してオリジナルのプレスラインを優先、パッチの半分以上は切り捨てた。(凸の左右)
端っこのカーブも揃っている。
写真ではちょっと分かりづらいが、パッチとオリジナルが位置決めのためところどころぴったり接触し、それ以外は1ミリくらいの隙間ができるように削ってある。MIG溶接は鉄板をぴったりくっつけない方が溶け込みが良いのだ。
溶接はなるべく遠い間隔でした方がいいようだ。そしてついには全部溶接でつながる。
サンダーを掛けて平らにする。左端の縦が溶接されていないのは左隣もパッチを作るからだ。
溶け込み不良があるので裏からも溶接できる場合はする。
ここまでやるのに1週間くらいかかったかな。