館長の気ままな日記

三河工芸ガラス美術館の館長(オーナー) " カズ " こと神谷一彦の勝手気ままな独り言です。

三河工芸の館長が書く日記です

春日井のおばちゃん

こんにちは。

きょうは休館日。以前からお見舞いに行きたい行きたいと思っていた春日井のおばちゃんにようやく会いに行くことにした。もう10年以上会っていない。

 

春日井のおばちゃんは僕の父のすぐ上の姉で三女。父は末っ子の長男だ。

若いころは名古屋の県庁すぐ近くに住んでいたので「名古屋のおばちゃん」と呼んでいた。

おばちゃんは若いころから思ったことをズバズバ言う人で、子供の僕には優しいおばちゃんではなく怖いおばちゃんだった。だから僕は苦手だった。

 

僕の母もおばちゃんのことは同じ理由で苦手だったようだが、母が64歳で亡くなったときにはおばちゃんはずいぶん悲しんでくれて、葬儀の後で母の骨壺から小さな骨を一つ拾い、ボリボリ食べてしまった。

 

そんなおばちゃんも今年で92歳。現在春日井市特別養護老人ホームで暮らしている。痴呆が来ていて時々訳の分からないことを言うようだが、昔のことはよく覚えているらしい。

 

老人ホームで窮屈な思いをしているのではないかと少々心配していたのだが、ホームへ行ってみてその心配は吹き飛んだ。

 

冷暖房完備で一年中一定温度に保たれ、暑くもなく寒くもない快適な環境だった。毎月1回は健康診断をしてくれ、毎日、ボランティアさんが来ては踊りやら歌を披露してくれるそうだ。趣味や習い事もできる。

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僕のことはすぐに思い出してくれた。カミさんのことは分からなかったが、「かあくん(僕のこと)の嫁さんかえ、綺麗な人をもらったなぁ。」とお世辞が言えるところなどはまだまだ健在だ。

 

 

老人ホームというと、ちょっと前なら家族から疎まれたご老人が家から放り出され、ホームで寂しい余生を送る――そんなイメージだったのだがここはまるで楽園だ。

眺めの良い高台にあって、若いスタッフさんが優しく面倒を見てくれる。

 

待遇が良い分、費用もそれなりにかかるのだろうが、現在500人ほどの入所待ちを抱えているそうだ。

いつも家族に囲まれて暮らせるならそれに越したことはないのだろうけど、昼間一人で留守番する余生なら、医療や介護の行き届いたこんなホームで暮らすのも悪くないと思った。

十分な蓄えがあればの話だが。